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出会い

パラレルワールド

昏睡状態でも ももこは心の目で何か確かに見ているらしい。
そのうちにリラックスの青が少なくなり黄色の疑問が全体に広がりやがて、
白の錯乱が大部分運を支配し、ついには漆黒の活動停止となった。


この瞬間に ももこは宇宙の過去へ遡るために銀河の中心で重力崩壊し時空を
閉じている巨大ブラックホールへと飛び込んでいた。

すでに ももこは肉体の無い心の目のみとなって時空を旅をしている。
それは質量を持たない為光速より早く移動できるし重力場の影響も受けない。
つまり、現代科学で言うエネルギーゼロである無と同じ状態になっていた。
それなのに心の目では移りゆく風景がはっきりと見えるし、感動する感情も
普通にあるのが、なんの違和感無く自然に受け入れられた。

{もしかしてこれは死後の世界なの?}
ももこは宗教が説く輪廻転生や、方便で例えられる天国、地獄などの思想は
科学的に根拠がない御伽噺みたいなものとしか見ていなかった。

しかし今自分が体験している世界こそが、その科学的に有り得ないはずの世界
なのだが、それらは現実の世界の延長として境界無く展開されていた。
{そうか 死後の世界も この物理量ゼロの世界も同じものかもしれないわ!}
その仮定は正しいが、物理量ゼロの世界で思考や人格、感情活動は不可能
という矛盾に突き当たる。
しかしこの矛盾は最近の定説となりつつあるパラレルワールド理論により解決する。
ももこの思考と感情の活動は、まさにこのパラレルワールドを自在に行き来する
ことで実現していたのだった。
したがって ももこからは現在宇宙を認識できるが、現在宇宙でなんらかの物理量
をもった生命体は現在宇宙以外の世界は理論計算で推測するしかない。
《パラレルワールドは実在するか [編集]パラレルワールドはSFでよく知られた概念であるだけでなく、実際に物理学の世界でも理論的な可能性が語られている。例えば、量子力学の多世界解釈や、宇宙論の「ベビーユニバース」仮説などである。理論的根拠を超弦理論の複数あるヴァージョンの一つ一つに求める考え方も生まれてきている》
 

ももこの心の目と思考は偶然にも明菜が特注したバーチャル体験マシンにより
昏睡状態に堕ちてしまい、さらに死をも覚悟の上で究極の疑問を求めて突き進
んだことにより、廃人になる一歩手前で運良くパラレルワールドへ入り込めたの
だった。
それは単純計算で0.00000000000001(10^-14)という途方も無く低い確率であり、
ももこの決断は決死に相応しい とんでもなく無謀なチャレンジだったのだ。

そして
ももこ自身も巨大ブラックホールへと飛び込んだ瞬間に自分の状態が時空を
超越してパラレルワールドを往来できる存在である事を直感し全てを悟った。

同時にバーチャル体験マシンの脳磁波モニター画面は漆黒から突然に感動の
赤一色となり、ゆっくりと理解と悟り調和のラベンダーバイオレットに変化した。
8989_02a.jpg
{え・・・・ ももちゃんに何が起こったの?}
明菜は
再度バーチャル体験マシンのマニュアルに掲載された参考画像を見直した。
{すごーい ももちゃん・・・・・}
マニュアルによると、ラベンダーバイオレットに覆われる脳磁波画像は普通の
人間では到底体験できない、深い悟りと調和の状態に達した時の画像と一致
していた。

{信じられない・・・ももちゃんこれは現実なの?}
脳磁波モニター画面は明菜の疑問答えるかのように、黄色の疑問、赤の感動
至福のピンクに変わり再びラベンダーバイオレットに変わった。
それが ももこの回答であることを明菜は理解した。
{ももちゃんはここにいるの?}
【そうよ明菜ちゃん 信じられないと思うけど・・・】
【ももこは今異次元宇宙を経由してどこにでも往来できるの】
【だから心配しないで・・・・たぶんそちらの時間で数時間後には戻れるから】
明菜の心にテレパシーのような ももこの言葉が響いた。

{そうなんだ ももちゃん じゃーまってるからね}
脳磁波モニター画面は答えるように至福のピンクに変わり
再び漆黒に変わった。
ももこは現在宇宙の創生の瞬間とその意味を垣間見る時空の旅へ戻って
いった。

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